HONDA VTR1000F エンジン不動整備

↑作業ちうの図

ホンダのVTR1000Fのエンジン整備です。

 

↑ご開帳の図

カムチェーンテンショナーを交換したら、エンジンが
不動になってしまった代打作業のご依頼となります。

どうも、ゴチンと何かがぶつかった感と共に、クランキング
しなくなったらしいので、そのままクランクを回さす
そーっと持って来て頂きました。

オーナーさん情報で、後ろバンクが怪しいって事で、まずは
後ろバンクから状況確認作業開始。
カバーを開けてみると、ナルホドバルブがリフトした状態
止まっております。スパークプラグを外して、フライホイル経由で
クランクをそーっと前進させると、排気バルブとピストンが
当たる事が確認できました。

  

↑圧縮上死点まで逆回転の図
↑吸気側カムの図
↑排気側カムの図

そのままクランクシャフトを逆回転させて、後ろバンクの
ピストンを圧縮上死点の位置まで持ってきまた。
ひっかかる事なく回転させられたので、幸い前バンク側は
部品同士が干渉してしまうような状況にはないようです♪

この状態で、バルブのタイミングを確認してみますと、
吸気側は正規の位置のようですが、排気側が2山か3山
遅れる方向にズレちゃっているようです。
おそらく、排気側のカムがバルブを押している最中という
ような状態でクランクシャフトが止まっており、そのまま
カムチェーンテンショナーを緩めたら、排気側のカムだけ
バルブスプリングに押し戻されて、チェーンとスプロケットの
位置関係がズレちゃった、というようなストーリーかと?

  

↑排気側カムとリフターの隙間の図
わかりにくいですが、数ミリは空いてます

てな事で、とりあえず正規のタイミングとなるよう
チェーンをかけ直し、安心してクランクをクルクル回せる
状態にしました。
さー、一旦ヘッドカバーを元に戻して~、なんて事を考えながら
合わせ面を掃除をしながら、以後の段取りを考えておりました。

おー、カバーを閉じる前に、バルブのクリアランスを
確認しておくベキだ。

と何の気無しに思いつき、シックネスゲージを突っ込んでビックリ。
あれ、隙間っていうか、浮いてる感じになってます。
ががーん、バルブが曲がって片当たりしちゃってる?

これは、想定していた最悪のシナリオに乗っているようです。
とりあえず、お客様に報告して、以後の方針を決めねばなりますまい。
あー、なんという悲劇。

“HONDA VTR1000F エンジン不動整備” への2件の返信

    1. あー、アルアルなんですねぇ(笑)

      いつも貴重な経験談をありがとうございます。
      エンジン降ろさなくても、どうにかなりそうです。

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