トラックの荷台に着いている、古川ユニックのUE500A UNIPPYっていう
電動の簡易クレーンの修理です。
えー、一番太いクレーンのアームの端部が変形してしまっております。
変形しちゃったアームの側面が、クレーンのジブ側の側面に擦れちゃって
スッカリすり減っております。流石にコレはヤバいでしょう。
テレスコピック状になっているアームを伸縮する為の油圧シリンダの基部が
アーム端部の上面に溶接されており、その基部がシリンダの力に負けて
変形してしまったようです。そらー、この状況であれば、支点と力点の
位置関係からして、アームのとば口が下方向に沈み込みますわなー。
おそらく本来は、端面にはシッカリとフタが溶接されており、
とば口の突っ張りとして作用して、このような変形を防いでいたのでは
ないでしょうか。端部には、ディスクサンダーでかっ飛ばした溶接痕が
残ってましたので、何らかの理由でフタの外し、四角だけチョイチョイと
溶接されていたので、突っ張りが効かなかったのだと思われます。
てな事で、どうやって形を元に戻そうか悩んでみました。
アームを外して、油圧のプレス等で修正ってのが真っ当案ですが、
その構造上クレーンのワイヤーを一度切らないと分解できそうにないのと、
そもそもクソ重たくて一人でどうにか出来そうにないので、却下。
で、上から押されて変形したなら、下から押し返してやれば良かんべーと
アームの内側に入りそうな油圧シリンダを用意してみました。
モチロン、反対側がドンドン押されて変形していく事は容易に想像が
ついたので、養生もしつつ、変形部分を外側から押し込まねばなりません。
手持ちのモノを眺めて使えそうなモノをさがしたところ、
ちっこいバイスの口でどうにかギリギリくわえる事ができました。
内側から押し上げつつ、側面からアイアンクロー作戦であります。
で、なんとなく作業方針が決まった所で、手を変え品を変え
どうにかアームのとば口が、すぼめる事に成功。
気がつくと、なんかイロイロ散らかしマクリであります。
とば口の形は元通りとはほど遠い台形ですが、実用上コレで問題無いと
思われるし、コレ以上頑張って、入れ子になっている中のアームのスペースが
損なわれるのもイヤなので、過ぎたるは及ばざるがごとしって事で
こんなモンで勘弁しといてやりました。
後は、ぜってー変形しないと思われる、6mm厚の炭素鋼板を
とば口の形に切り出して、全周モリモリ溶接。コレなら大丈夫っしょ。
最後に、関節という関節にグリースを突っ込んでやって作業完了。
カッチョ良く塗り直してもらっているようですが、
グリースを入れるニップルも一緒に塗装されちゃってました。
ぶっちゃけ、見た目よりも、基本的な所を押さえて整備した方が
良いのでは無いかと思いますが、他人様のやる事ですから気にしないx2。
てな事で、コレにて作業完了。
ご用命とあれば、何でも直しますぜ~
皆さまからのご用命をお待ちしております。