ヤマハのXS650スペシャルのキャブレター整備です。
30年程眠っていた車両だそうです。
フロートの汚れ方からして、サイドスタンドで寝ていたのだと
思うのですが、左側のキャブはずっと燃料が落ちていたのか、
デロリンチョリンになっておりました。
右側は、まーまー、底に溜まった燃料がタール状になっている
感じで、意外とキレイって印象でした。
そして、ナゼか左のフロートはベコベコに変形していて
穴も開いて中に燃料が入ってしまってました。
フロートの変形の原因は、何か、こう、中に燃料が
入ってしまっていいるが故に、気温や気圧の変化により
えもいわれぬ力が発生したのでしょうか? 知らんけど。
フロートが壊れてしまっているのは、想定外でして、
部品が手に入るかを調べてみると、なんとメーカーから
部品が出るみたいです!が、一個一万円くらいと、
なかなかに良い感じにお値段になっているようです。
ともあれ、新品が手に入るって事が判ったので、少々強気に、
ウッカリベコベコになっているフロートの形状も元に戻せない
ものかと、フロート自体の分解に挑戦。
加熱するのに火を使うので、内部に入っている燃料に引火
しないものかと、まずは実験してみました。
フロートに空いている穴から出した燃料に、ライターの火を
近づけてみましたが、全然燃える気配はありません。
揮発する気が無さそうです。
てな事で、横にホースで放水準備を万端に整えた屋外特設会場にて、
アセチレンのマイクロトーチでサラッと加熱してみました。
流石に高温で加熱されると、フロート内部の燃料が気体になるようで、
空いている穴から出て来たところで燃えておりましたが、ドカンと
爆発的に燃焼する事な無さそうです。
そーっとそーっと加熱してみましたが、材料が薄くなっている所は
錆びている金属アルアルな感じで、アッサリと酸化してパチパチと
弾けて穴が開いてしまいました。
ともあれ、分解には成功しましたが、もう真鍮のボディーを叩いて
鈑金とか、そういうレベルの肉厚は残っていない部分が多く、
上手い事整形作業に成功しても、再び元の姿に戻すのは至難の業かと
思われます。ナルホド、良い経験を積めました。
てな事で、ホントはサラッと組み直して、エンジンがかかる事が
判ってから、コストが嵩む部品の交換メニューを決めたかったのですが、
世の中そんなに甘くは無いようです。
まだまだ続きます。