BETA EVO 2T アンダーガード用ネジ穴修理

↑お預かり状態の図

ベータのEVO 2T、アンダーガードをフレームに固定している
ネジ穴修理のご依頼です。

いつもの事ですが、難儀しました(笑)

 

↑今回の作業対象の図
↑前右側のボルトの図
エキゾーストパイプを外さないとダメなのねぇ
↑外れたアンダーガードの図

なにはともあれ、アンダーガードを外します。
が、チャンバー外さないとアンダーガードが外れない辺りが
流石トライアルモデル(笑) まー、割と簡単に外れるので
良いですが。

ちなみに、チャンバーはタイタニウムな鬼軽仕様♡
萌えるなぁ

 

↑腹下を眺めるの図
↑車両を直立させるの図
ブレーキディスクを基準にして角度計にて計測ちう
↑車体横から見た角度確認用のボルトの図

とりあえず、どうやって作業するかを考えます。
当初、作業対象部位が見やすいように、車体を寝かして
作業しようかと思いましたが、既に空いているボルト穴の軸を
明確に感じながら作業できた方が楽な気がしたので、
車体をなるべく垂直に立て、無事な左側のネジ穴に長めの
ボルトを差し込んで横方向から見た軸の角度を確認しながら
作業できるようにしてみました。

  

↑作業対象掃除完了~の図

お客様の修理方法案で、コイル状のネジ補修材を入れて
直そうというお話だったのですが、実際には
既にそのような品が入ってしまっており、新たに
ネジを切って直すという事が出来ない状態でした。

最初、既にコイルが入って居る事すら判らず、危うく普通の
M8のタップを折るところでした(汗)

  

↑補修材引き出しちうの図
↑再度同じネジにタップを通す事に成功の図
奥に見えるボルトの軸を基準に、車体タテ軸に対して平行にって感じで作業

どうもボルトが入らなくなった原因は、
ボルトが緩んで車体からかなり飛び出している状態で走行中、
障害物にボルトの頭が接触。運悪く、コイル状のネジ部分の
途中にボルトの先端があった為、フレームに切ってあるネジが
凹んで、コイル状のネジ穴の軸が途中で曲がってしまったような
状態になってしまったんでないかなぁ、と。

幸い、コイル状のネジ山は穴のちょっと深めの位置の
セットされていたため、穴のとば口と奥の方のネジ山は
まだ無事でいてくれれば、長めの補修材を入れれば、
もう一度くらいイケるんでないかい?という
希望的観測に基づく作戦を立案(笑)、実行。

とりあえずどうにかしてコイルを引き出して、
これまたどうにかして、元々のフレームに切ってあるネジ山に
タップを滑り込ませ、潰れた部分を修正し。チョイ長いコイル状の補修材
(一般的なのは1.5D(ネジの直径1.5倍の長さ)ですが、2Dてヤツが有るですよ)
なるべく浅めに入れて作業完了。
言うのは簡単なんですけど、上手く行ったのは、ほぼ奇跡。
我ながら、良くタップが上手く通ったモンだと思いますし、
長い補修材は、ネジの抵抗が多きくなるので、なかなか最後までキレイに
入って行かないんですわー。

 

↑アンダーガードの反り修正ちうの図
↑仮組成功~の図

で、最後に反りまくっているアンダーガードを押しまくり、
ネジ穴の位置が良い感じになるように修正。
無事にボルトも通り、シッカリとトルクもかけられる事が
確認できました。

ちなみに、コレがダメだと、フレーム単体にして、ネジ穴を
溶接で埋めて切り直す、なんて事をするのは割と普通の事らしいです。
おそるべし、トライアル車の世界。

今回は、ラッキーにラッキーが重なって、上手い事行きました。
コレでまたしばらく使える事を祈ります。

皆さまからの作業ご用命をお待ちしております。
<(_ _)>

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