サベージシリンダヘッドオイル漏れ修理

↑車体の図

スズキ サベージ650に積まれている、P401って型式のエンジンの
シリンダヘッドからのオイル漏れの修理です。
補修用のキャップを作りました。

 

↑STDのキャップの図
↑ノギスで計測ちうの図

シリンダヘッドを締め付ける為のボルトを通す関係で、
1箇所だけヘッドに貫通孔が有りまして、ヘッドカバーを外すと
その穴を塞いでいるキャップが出て来ます。
で、そのキャップ部分からエンジンオイルがにじみ出てしまう、
というのが、このエンジンのアルアルなんだそうです。

んで、このキャップをシール付きのものに置き換えたい、
というのがご依頼内容。

 

↑久々登場、浅い穴用のボアゲージの図
↑セット完了の図
↑計測ちうの図
ピンボケスマソ

Oリングを使ってシール、というのがお客さんのイメージのようですが、
穴チョッキリに詰め物作って、プーラー的なヤーツをかけられるように
雌ねじも作っておいて、そいつを叩き込んでしまえば、てっとリ早い。
と、思ってました。

で、詳細に穴を観察すると、機械加工されているのは円筒面だけで、
上の面とかはボコボコでアテにならない感じ。
デジタルノギスで内径を測ると、22.5mm近辺のようですが、
どうしてもタテヨコでどうしても数字が揃わないので、もうボロくなって
きているので上手く計れないのかと思い、ボアゲージで計ってみたら、
5/100程度楕円になってました。

うーん、この径でこの楕円っぷりでは、シール無しで叩き込むって
訳にはイカンようです。

 

↑切削ちうの図
↑完成~の図

えー、Oリングの与圧ップリや、溝の中でのクリアランス等、
トライ&エラーでなんとなく良い数字が見つかりました。
Oリングは、今回の使用条件と同じようにエンジンの熱々オイルを
シールしている部分に使われているKTMの純正部品を選んでみました。
機械設計って、シールを一つ選定するにも、材料の特性を理解した上で
選ばねばならず、メーカーの人は車両全体でコレをやっているんだから
大変ですよねぇ。

先端でゴムシール、根元のエッジ手前1mmのところから1mmに渡り
内径の狭い所チョッキリの径にエラを付けてみました。
液体パッキンを塗って組み付けるつもりなのですが、メタルタッチする
部分はタッチさせてよう計画でアリマス。

  

シール面とのクリアランス確認ちうの図
↑引っこ抜き用ボルト装着の図
↑邪魔なバリの図

てな事で、ヘッドカバーのベース面をキレイに掃除してから(コレが一番面倒)、
キャップをヘッドに嵌めてみました。計画どおりエラまではわりとスルンと嵌合。
フンガーと押し込むと、ヘッドカバーベース面から0.3mmくらい高くなってしまい、
こらーキャップを削らないとダメかなぁ、と思いつつも、プラハンでゴチンと
引っぱたいてみましたが、良い感じにベース面よりも低くなりました。

一旦キャップを引っこ抜いて確認すると、どうやらヘッドのバリに引っかかって
上手くキャップが沈まなかったようです。

 

↑バリ成敗の図
↑キャップの面取り幅拡大の図

じつわ、キャップのフランジ部分のエッジは、ヘッドの穴のバリを
避けるようにベース面よりも深く彫り込んであったのですが、
予想外のバリが潜んでおりました。コイツキャップ側で対応させると、
誰でも組める訳では無くなってしまうので、ヘッド側のバリを削り取り、
キャップもなるべくヘッド側の形状の影響を受けぬよう、フランジ部分の
面取り幅を多く取り直してみました。

このキャップの極少量ではありますが、量産計画もあるのですが、
こらぁ個体差が激しそうなので、アルミ材を使っての作るのは
結構厳しいカモ知れませんねぇ。純正部品が樹脂製である事は
この辺りに理由があるのカモ知れません。

  

↑装着!の図

再度、イザ挿入~♡
ゴチンと軽く叩くと、良い感じに納まるようになったのですが、
ヘッドカバーのベース面よりも0.35mm弱低くなってしまいました。
問題無いと思うけど、もうちょっと隙間が小さいと良かったなぁ。
まー、ヘッドカバーの面には液体パッキン塗るんで、動く事は無いと
思いますけどねぇ。

うーむ、MarkⅡを作るベキか、悩むわぁ~
ってか、この状態でも、エンジンオイルが漏れるモンなら漏れて
みやがれ!って感じではありますが。

ともあれ、ひとまずキャップの作製作業完了~。
皆様からの作業ご用命をお待ちしております。
<(_ _)>

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