ショーワのお高級フロントフォークの整備用工具の
作製ご依頼です。
えー、倒立フォークのアンダーブラケットに、
多分ですが、オイル圧縮用のガスタンクと、
減衰力調整用のバルブを組み込んでしまったという
大変手の込んだ構造の品でありまして、当然整備には
余計な道具を沢山用意しなければならないという
手間かかりまくりなフォークのようです(笑)
何を持ってして、バランスフリーなのか、構造をちゃんと
理解してみたいものです。
で、その減衰力発生バルブを分解する為の工具を作って
欲しいというご依頼でございます。
当然、売っているものを買った方が安くて早いハズなのですが、
今回は入手が難しそうという事で、お話を頂いてしまいました。
てな事で、数日前からボチボチ構造を考えておりまして、
いよいよ作製でございます。
まずは、旋盤でボディーを作って、フライスで工具のかかる
六面を作り、この面を足がかりにしてバルブにかかる突起を
削り込んでいく作戦であります。
えー、ウチのフライスでは、なかなか厳しい形状の加工と
なりまして、本来であれば自動機で行うべきなんでしょう。
が、当然そんなモノは持っておりませんので、どうにか工夫
しながらやらねばならず、うっかりどうにかする方法を
思い付いたものの、なかなか面倒なチャッキングを複数回
こなさなければなりません。
サーキュラの上に、もう一軸回転させられる面があれば
１チャックで全てこなせる訳で、こんに苦労する事は無いのですが、
もう一個小さいサーキュラがあっても、ウチの機械では
Z軸方向のスペースが足りなくなって、実現できないと思われ。
あー、自動機があればなぁ。
てな事で、訳の解らん事を書いても仕方ないので、説明は割愛。
気合いで内側に向かった生えるR面の突起を削ってみました。
XY平面と１軸を使ってコレを削る涙ぐましい努力を
ご想像頂ければ幸いです。(笑)
てな事で、一晩と一日使って、やっとこ工具完成。
バルブの工具がかかる突起が、割りと大きなR付きの刃物で
削ってありまして、ストレートな突起では、突起がかかる距離が
非常に短く、当然それを見越した構造で作ったのですが、
チョッキリすぎて工具がハマらなかったどうしよう、という
思いから少々よガバめに作ったのが災いして、少々安定感に欠ける
かかり心地な工具になってしまいました。
当然、使えるんですけど、これは改善の余地が有りまくり。
もうちょっとどうにかならんモンか、作ったヤツに少々手を入れて
どうなるか把握できたトコロで、二回戦目に突入か、そのまま納品か
考えたいと思います。