WP製4860シリーズのアウターチューブに生じた凹みの
補修という、ウチでは前代未聞の超難題なご依頼です。
ブッシュが打ち込まれているちょっと上くらいに
打痕が有り、そこは見事に内側へ向かって凹んでいるのが
見て取れるのですが、問題はそこではなくて、ブッシュが
打ち込まれている座面部分が楕円になっているようで、
インナーチューブのスライドっぷりが非常に重たいとの事。
状態が全て確認できるようにインナー、アウターのチューブと
上下のブッシュをお預かりさせて頂きました。
ナルホド、アウターにブッシュを入れた状態でスライド
させると、めちゃくちゃ重たいです(笑)
まー、アウターチューブごと交換してしまえば、
てっとり早いし確実なのですが、若者が駆る車両で、
ある程度の性能をキープしつつ、なるべく安価に
乗れるようにしてあげたい、というお客様の思いが
あるようで、ご相談を頂きました。
まー、それを聞いてしまっては、ヤルしかないでしょう!(笑)
てな事で、まずは詳細な状況確認作業から。
どんな潰れ方をしているのかは、ここでは判りませんが、
短軸と長軸の差は0.28mmある事が判りました。
ナルホド、これだけ変形していれば、動きが渋くなるのも納得。
正規の直径がいくつか判らんので、潰れていない方の
アウターチューブもお預かりさせてもらえば良かったと後悔。
(まー、個体差もあると思うので、何とも言えませんけど)
次ぎに旋盤を使って、どんな形に変形しちゃったのかを
確認しようと思ったのですが、アウターチューブが太すぎて
旋盤の貫通孔を通す事が出来ません。
どうしたモンか考えた挙げ句、振れ止め台を使ったら
どうでしょう案が思い浮かんだので、とりあえずトライ。
チューブの機械加工面が、どこまで同心なのか判らんし、
そもそもチューブ自体にも反りが出ちゃってると思うので、
見る人が見たらツッコミどころ満載かと思いますが、
ひとまずトリプルクランプとの嵌合面を基準とした場合の
ブッシュ座面の形状は確認できました。
ナニゲに予想外に複雑な形になっております。
押し直して、丸っぽく変形させられないかなぁ~とか、
甘い事考えていたんですけどねぇ(笑)
とにかく、まー、ガバガバにならない程度にアウター
チューブにブッシュを打ち込めるような状態にしつつ、
ブッシュとインナーチューブのクリアランスを
程良い感じにする、ってのが作業の目標ですが、
何をどうしたモンか、しばらく考える事に致します。
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